【ORASシーズン11】これは面白い!と思った構築まとめ

 

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 かなり遅くなりましたが、構築記事を読んでいて個人的に面白いと思ったものをシーズン11でもまとめてみました。

 今回は最終1位の構築(残念ながら記事にはなっておらず)にメレシーやズルズキンといった、あまりレートでも見ないポケモンが採用されていたことが象徴するように、いわゆるテンプレとは少し外れた構築がこれまでよりも上位に多かったように思えます。これはORASレートが早くも5シーズン目となり、よくある並びを使うことに飽きてきている人が多くなったとも取れますが、使用率上位ポケモンへの対策が行き渡っている中で、相手の思考の枠外からアドバンテージを取る動きができる構築が結果を残してきたともいえます。とはいえ、あいかわらずメガガルーラメガゲンガーの採用率は高く、これらのポケモンに関しては修正が入らない限り、第6世代の頂点の座をこれからも守り続けるのは間違いないでしょう。

 その他に目立った成績を残したメガシンカポケモンとしては、メガクチートとメガギャラドスが挙げられると思います。メガクチート軸は対策が進み、シーズン10の上位ではめっきり数を減らしたと言われてきましたが、ヒードランなどの苦手ポケモンの減少や、取り巻きの開拓が更に進んだことから、再び結果を残す構築が増えてきました。メガギャラドスに関しては、これまでも使用者の方から強さが語られていましたが、努力値調整や技構成も多様になってきており、シーズン12で解禁されるぜったいれいど持ちスイクンをあわよくば起点にできる駒として、今後更に数を増やしていくと考えられます。

 一般ポケモンとしてはマンムーがPGL12入りを果たすという躍進を遂げたことが印象的でした。もともとガブリアスなどのトップメタに強く、それでいて型も豊富に作れるため、ここまで流行るのも半ば必然的だと言えるでしょう。また、クチートの流行などに伴い、ブルンゲルの採用率が上がったのも目立ちました。ブルンゲルに関しては、ぼとるんさんがシーズン10において、ブルンゲル入りクチート軸で結果を残したのが大きく影響しているのかもしれません。その他、今回の記事では紹介できていませんが、ヒヒダルマ入りホルード入りの2200達成構築が示しているように、あまり使われていないポケモンの中にも、まだまだポテンシャルを秘めているものはいるのだなと再確認できたシーズンでもありました。

 なお、今回のトップ絵はみやのさん(@Froslass_478)にお願いして描いていただきました。突然の依頼にもかかわらず、素晴らしい絵を本当にありがとうございました!この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

※念のためですが、H=HP A=攻撃 B=防御 C=特攻 D=特防 S=素早さです。

※リンク先はすべて無断リンクですので、問題がある場合、恐れ入りますがご一報ください。

※紹介はあいうえお順です。また、各タイトルは元記事からシーズン名やレートの数値を便宜上省いたものです。

 

あずまるがお「†ウェットノラージ†」

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(ニョロトノ@しめったいわ/メガラグラージ/オノノクス@ラムのみ/霊獣ボルトロスきあいのタスキ/メガメタグロス/ジャローダゴツゴツメット)

 天候弱体化により、6世代に入ってからめっきり数を減らした雨構築だが、依然として高い選出誘導能力を持っており、ORASに入ってからもいくつか好成績を残している並びである。雨選出の場合の基本的な流れとしては、だっしゅつボタンを持たせたニョロトノを相手に殴らせることによって、メガラグラージキングドラなどの雨エースを降臨させ、天候が切れたタイミングで再びニョロトノを繰り出し、再度エースを出して負担をかけていくというものであると思われる。

 このパーティの特徴としては、ニョロトノにそのだっしゅつボタンではなく、天候を延長させるしめったいわを持たせているところがあげられるだろう。稀にいるこだわりメガネやスカーフ持ちのニョロトノについても言えることだが、雨構築のニョロトノはだっしゅつボタンという固定観念があるはずであり、それを前提とした動きを取らざるをえないことも少なくない。当然、雨ターンが純粋に8ターンに延長されることにより相手をそのまま突破できる場面も多いだろう。雨構築と対面した際、これからはだっしゅつボタン以外もきちんと警戒しなければならないと思わされた構築。あまり使われているポケモンではないが、オノノクスのポテンシャルの高さにも注目したい。

 

角刈り「鬼火コントロール」

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(メガガルーラ/ファイアロー@たべのこし/クレセリアゴツゴツメット/ピクシー@きれいなぬけがら/メガヤミラミ/マンムーきあいのタスキ

 るどるふさんの「バッドスタッフ」で紹介されている珍しいポケモンの型を複数採用しながら、うまく構築としてまとめているなという印象を受けた。たべのこしを持ったみがわりファイアロー、イカサマふいうち搭載のメガヤミラミ、HDベースでサイクル意識のピクシーなど、まず初見では対応することが難しそうなポケモンが並べており、それに加えてガルーラクレセという盤石な組み合わせ、さらには仕事人マンムーというポケモンが添えられたこの構築が弱いわけがない。

 一個人の感覚ではあるが、シーズン11に入っても依然としておにびが刺さっていると思わされる場面が多く、それをうまく通してサイクルを回すというこのコンセプトは大抵の構築に刺さりそうである。特にサイクル戦の持つ「相手の交換読み交換などで崩壊しやすい」という弱点を、あまり見慣れない型の採用を多くするということで補うどころか、逆に利用できる場面も出てきそうだ。

 

かたショ「コバルオンラティアス」

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(メガラティアス/コバルオンゴツゴツメット/ランドロス@こだわりスカーフ/ドククラゲ@とつげきチョッキ/ヒードラン@たべのこし/ポリゴン2しんかのきせき

 準伝説ポケモンであるにもかかわらず、おそらく今までほとんどの構築で採用が見送られていた(というか考慮もされていなかった)ポケモンの一体であるコバルオンであるが、サイクル構築におけるメガガルーラ対策のポケモンとして、もっと注目されても良いのではないかと記事を読んでいて思わされた。現環境の採用されている物理受けの中で、メガガルーラ以上のSを持っているポケモンは一部のみであり(ジャローダなど)、様々な技構成を考慮した場合、どうしてもSの遅いポケモンでのガルーラ受けは安定性に欠けてしまう。一方、コバルオンメガガルーラ以上のSを持ちつつ、タイプ相性と特性による高いふいうち耐性を持っており、ボルトチェンジで裏への負荷をかけつつ、非接触かつ弱点をつかれるじしんも透かすことができるということに魅力を感じた。

 コバルオンの他にも、どくどく+はねやすめにリフレッシュを採用したメガラティアス、とつげきチョッキ持ちのドククラゲ、両受けのアナライズポリゴン2など、いくつも特徴的なポケモンを採用しており、じりじりと削っていくテクニカルな戦いが期待できる構築と言うことができるだろう。最近ポリゴン2といえばHCベースでじこさいせいを切ったダウンロード型がここ最近多かったが、最近再びHBベースの受け型が復権してきたり、ダウンロード型でもじこさいせいを搭載していたりと、対策が容易にいかなくなってきている節があることにも注意をはらいたい。

 

ガレキ「ドラミドロ入りトリルバンギムドー」

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(メガバンギラス/エアームドゴツゴツメット/グライオン@どくどくだま/ドラミドロ@こだわりメガネ/メガヤドラン/ナットレイ@たべのこし)

 一見するとドラミドロが特徴的な他は普通の受けループの構成のように思えるが、筆者が受けループのつもりで組んでいないと語っているように、トリックルームからの展開が主軸のパーティ。全体的にSが遅くトリックルームの恩恵が受けやすくなっている一方で、受けループらしい並びを作っているため、パーティコンセプトを読ませないのがうまい。低速高火力であるドラミドロの特徴を十分に引き出せる構築を取っていると言える。

 また、同時に受けループのような動きをすることも可能な構成になっており、単なる偽装構築ではない分、対応が難しくなっているところも評価が高い。メガバンギラスをわんぱくHDのねむる+ねごと(いわゆる”ねむねご型”)で採用しているため、ドラミドロを除き全てのポケモンに回復ソースを仕込んでいるのも、粘り強い戦いを可能にしていると言える。高耐久ポケモンのねむねご型はもっといろいろな可能性がありそうなので、これからどのポケモンに搭載されていくのか注目していきたいところ。

 

シェイル「蒼海の鮫と大地の鮫」

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(メガサメハダー/ガブリアスゴツゴツメット/ニンフィア@こだわりメガネ/メガリザードンY/ウォッシュロトム@オボンのみ/マニューラ@いのちのたま)

 さんざん不遇メガシンカという扱いを受けてきたメガサメハダーをエース起用して2100を達成した構築。水+悪の範囲を持つ物理ポケモンとして、メガギャラドスシザリガーがあげられるが、高いSからアクアジェットを打てることで、ステルスロック込みでファイアローに一方的に勝利したり、耐久が低いゆえにみちづれを決めやすいという点で、十分それらのポケモンとは差別化が図れているといえる。メガシンカではなくきあいのタスキ持ちの特殊型がどちらかというとメジャーであることも、現環境での動きやすさを助長していると言えるだろう。というかそもそもサメハダー自体全然見ないので、何をしてくるかわかりにくいと言ったほうが正鵠を射ている気もする。陸鮫であるガブリアスと並べられており、おしゃれポイントも高い(?)。

 取り巻きはマニューラを除き、KP上位のポケモンで並べられているが、どれも対策を怠った瞬間にサイクルを有利に回されて負けるポケモンであり、このあたりもサメハダーを動かしやすくさせているのだろう。マニューラはいわゆるテンプレの構成とは異なり、けたぐりではなくつららおとしが採用されているが、3割で狙えるひるみや、こおりのつぶてでは絶妙に足りていない火力を補うために、つららおとしはもっと採用が検討されてしかるべきだと記事を読んでいて感じた。基本的にマニューラは受け出しするには不安定なポケモンだが、ガブリアスのような4倍氷弱点のポケモンを採用している構築であれば、ギリギリサイクルに組み込めるというのもなるほどといったところ。メジャーどころにぶっ刺さるポケモンであるがゆえに、相手の選出や立ち回りを誘導できるところも強い。

 

大天使「トゲキッス始動アッキランクルス+ガルーラ軸 スカーフヘルガー入り」

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(トゲキッスゴツゴツメット/ランクルス@アッキのみ/ギルガルドじゃくてんほけん/メガガルーラ/ランターン@こだわりメガネ/ヘルガー@こだわりスカーフ)

 ギルガルドガルーラ以外、レートではそこまで多く採用されていないポケモンで構築されているパーティ。ゴツゴツメット持ちのトゲキッスは言うまでもなく、電気ポケモンを採用していない構築に対してすさまじい制圧力を誇るし、ランターントゲキッスの弱点を補いつつ、こだわりメガネによる高火力によって有利にサイクル戦を持っていくことができるため、この2体のサイクルでも相手を十分に疲弊させていくことが可能だろう。

 しかし構築の目玉はなんといっても、アッキのみをもたせた積みアタッカーであるランクルスと、ほとんどのポケモン相手に仕事をすることができるヘルガー@こだわりスカーフであろう。今季、高レート帯で他にもランクルス入りのパーティを見たことがあるが、トリックルーム始動要因兼アタッカーとしても、この構築で採用されているような単体積みアタッカーとしても、超+格の攻撃範囲の高さを活かし、ハマった相手には抜群の活躍を見せてくれること請け合いである。ヘルガーについては、メガシンカの存在から、こだわりスカーフ型を考慮しづらく、みちづれで最低限の仕事を残すことができる駒として優秀であると感じた。Sの高いポケモンのみちづれが強いのはゲンガーが証明しており、スカーフ持ちヘルガーをかいわんや、である。

 

たちばな「魔界ズルリレー」

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(ヒートロトム@たべのこし/ゲンガー@くろいヘドロ/メガエルレイド/メガガルーラ/ギルガルドきあいのタスキ/ジャローダ@のんきのおこう)

 魔界ロトム、通称”まトム”の存在を周知させた罪深い構築(褒めている)。たちばなさんと言えば、メガガルーラの耐久を活かし、ねむねごで粘りながら冷凍ビームを連打することにより相手をこおりづけにして倒す、通称”氷タイプのガルーラ”を使うという印象が強いが、この構築ではそのガルーラに加え、取り巻きに大変いやらしい技構成をしたポケモンが並べられており、いろいろな意味で大会を盛り上げてくれそうなパーティになっている。特に特徴的なのはあやしいひかり/おにび/みがわりを採用したヒートロトム(まトム)とゲンガー(まンガー)だろうか。

 魔界ロトムの定義は、フォルムチェンジしたことで手に入れた専用技(例:オーバーヒート)を採用していないものとのことだが、狭義の意味では優秀でいやらしい補助技を駆使しながら、相手をじりじり削っていったり、起点をつくったりする型を指していると理解して良いだろう。この構築のヒートロトムには、いばるではなくあやしいひかりを採用し、みがわりやおにびを駆使しながら相手を削っていく構成が採用されている。混乱技を絡めた戦法としてはいばる+みがわり(通称”いばみが”)が真っ先に思い浮かぶが、おにびで火傷を負わせることを前提にするのであれば、むしろこちらのほうがみがわりを残しやすくなることも含め、理にかなっていると言えるだろう。大会の開催時期的にはシーズン12のものになるが、この構築をさらに深化させたと思われる暗黒魔界ズルリレーにこのメガエルレイドの構成が乗っているので、そちらも参考に。

 

凪「メガシンカ、準伝無し構築」

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(ガブリアスゴツゴツメット/ゲッコウガきあいのタスキ/メガヤンマメトロノーム/ドリュウズ@たべのこし/ヒートロトム@オボンのみ/マリルリ@ラムのみ)

 何の縛りも設けずレートを上げることに注力するということが正義なのであれば、何らかのこだわりに基づいてパーティを組むのは粋であるーーかどうかは人によるだろうが、少なくともその人のこだわりが感じ取れるパーティというのは見ていて楽しいものだ。この構築はタイトルの通り、準伝説ポケモンと第6世代の特徴であるメガシンカをあえて採用せず、それでいて勝てる並びというのを追求した結果生まれたものである。ガブリアスという準伝説を上回る数値を持つ600族や、マリルリという種族値詐欺のポケモンも入ってはいるが、一方でメガヤンマというあまりレートで見ないポケモンが採用されていたり、それぞれの技構成や持ち物にも工夫がされているということに気づかされる。

 メガヤンマ入りの構築はこれまでも紹介させていただいたことがあるが、この構築のメガヤンマにはメトロノームという一風変わったアイテムが採用されている。これにより相手の計算を崩す立ち回りが可能になっており、さいみんじゅつも合わせて確率勝負にはなってしまうが、多くのポケモンを突破することができるだろう。その他、タムタムさん考案のたべのこし持ちどくみが(どくどく+みがわり)ドリュウズが採用されているが、ドリュウズというポケモンは相手にした際に隙が少ないポケモンであり、悠長な立ち回りがしづらい。そのため、仮想敵をきちんと定めて動けばかなり使いやすいポケモンなのではないかと感じた。いざというときの一撃技の試行回数を稼ぎやすいのも強い。

 

パワッチョ「1000全抜き達成!全抜きパ!」

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(メガバシャーモ/ジバコイル@たべのこし/マッスグマ@いのちのたま/ガブリアスきあいのタスキ/ヌオー@リンドのみ/メガカイロス)

 ポケモンの縛りルールは数あれど、「1体で相手のポケモン全部を抜いていく」という珍しいこだわりを持ちながらずっとレートを潜っている方の構築。その効率を追求するために2台同時に3DSを起動し、ついには今シーズン1000回の全抜きを達成したというのだから、その情熱というか執念には恐れ入る。以前からレートで当たるたびに面白い構築だなと思っていたのだが、このたびブログを開設されたとのことで、めでたくこちらでも紹介させてもらえることになった。

 記事では2つの構築が紹介されているが、パワッチョさんといえばマッスグマというイメージが強いのでこちらのほうを取り上げさせていただく。起点要因として採用されているのは、ステルスロックを撒けるガブリアスと、あくびで眠りを入れることのできるヌオーなのだが、まずこのガブリアスの構成がラスト1体での全抜きが前提にあり、なんとじしんすら入っていないというのが面白い。ヌオーの構成にもタイプ一致技は入っておらず、あくび以外はまず予想することが難しいだろう。あくまでこの2体でお膳立てをして、フィニッシャーであるメガバシャーモマッスグマメガカイロスで抜いていくという決意のようなものを感じた。クレッフィを一方的にカモにするピッキングジバコイルの最新の型にも注目したい。

 

ひげぽよ「腹黒ギャラナット」

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(バシャーモじゃくてんほけん/ウォッシュロトム@たべのこし/メガギャラドス/ナットレイ@カゴのみ/マンムー@ひかりのねんど/メガガルーラ)

 リフレクターやひかりのかべを貼って、バシャーモで積んでバトンタッチし、後ろのポケモンで無双するという構築自体は目新しいものではないが、この構築では壁要因にまず読まれないであろうマンムーを採用しており、一見して壁構築と読ませないところに強みがあると感じた。マンムーが両壁を覚えるということ自体は、レートをやっている人の間ではそれなりに知れ渡っていることだと思うが、実際に採用している人はほとんど見ないうえ、アタッカーマンムー自体の性能が高いため、この動きを予想することは難しいだろう(ウォッシュロトムが壁貼り要因に見えなくもないが)。

 またこの構築では壁バトンのルートの他に、壁貼りからの積みループという動きも取れることで、選出の柔軟性が高いと感じた。積み要因としては採用されているメガギャラドスについては、最近評価が再び上がってきているポケモンであり、特にかみくだくの有用性が認知されてきていると感じる。このパーティで採用されているウェポンはかみくだく+じしんだが、ちょうはつとりゅうのまいがあることも合わせると、受けが成立しない構築は思った以上に多いだろう。ナットレイギャラドスと相性が悪くなく、さらに積み型と読まれにくいポケモンなのも良い。

 

ユキナ「破壊光線メガマンダ軸ホウエン統一PT」 

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(ラグラージ@オボンのみ/バシャーモ@ラムのみ/シザリガーきあいのタスキ/メガライボルト/メガボーマンダ/メタグロス@ふうせん)

 ホウエン地方を舞台とするORASにて、見事ホウエン地方を初出とするポケモンだけで好成績を収めた構築。メタグロスといえば昨今ではほぼメガシンカ、非メガの場合はこだわりスカーフ持ちと認識されることが多くなってきているが、このパーティではふうせんを持たせることで、ガブリアスカイリューといった物理ドラゴンや、マンムーなどの対面に役割をもたせている。物理受けではないポケモンで、舞った物理ドラゴンを安定して止めることのできるポケモンはそこまで多くなく、メタグロスの単体性能自体も高いため、構築によってはもっと選択肢に上がってきて良い型だと思われる。

 ラグラージボーマンダ、通称”ラグマンダ”の並びは一時期流行ったものの、最近は戦法が知れ渡ってしまい、すっかり廃れた印象を受けるが、この構築ではこごえるかぜを採用することにより、氷弱点ポケモンに十分な圧力を与えつつ、メガシンカする前のボーマンダのSの補助ができる構成になっている。なみのり+3補助技の構成が知れ渡っており、ちょうはつを入れただけで機能停止すると思われがちなラグマンダのラグラージだからこそ、うまく活躍できる型だと言える。同じく、こごえるかぜを採用しつつゴツゴツメットを持たせた心葉さんの「ラグウルガマンダ」の記事も一読しておきたい。

 

ゆきやん「時空晴れリフィブラサイクル」 

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(リーフィアゴツゴツメット/ブラッキー@たべのこし/メガリザードンY/メガクチート/ブルンゲル@オボンのみ/ドサイドン@イバンのみ)

 リーフィアというあまり使われていないポケモンを採用していることがまず目につくが、その他にも独特な調整や持ち物のポケモン複数採用されている。リーフィア自体の物理受け性能は以前からある程度有名だったと思うが、ここ最近のインフレ火力についていけていないと判断されたためか、最近ではめっきり見なくなっていた。それでも、メガリザードンYの特性ひでりや、ブルンゲルトリックルームとのシナジー性能は高く、パーティコンセプトとうまく合致しているなと感じた。

 とはいえ、この構築で最も異質なのはおだやかHDメガリザードンYだろう。メガリザードンXが受けポケモンとしてある程度有名な一方で、メガリザードンYのほとんどはアタッカーであり、当然相手もそれを第一に警戒して動くため、この特殊受け型はともすれば相手を半壊させるポテンシャルを秘めている。暁さんがシーズン10で用いていたおだやかHDウルガモスしかり、高火力特殊技としてまず警戒しなければならないフェアリーを半減することのでき、物理ポケモンに対してはおにびで機能停止に追い込むことができる特殊受け炎ポケモンは、かなり環境に適しているのかもしれない。状態異常に弱いメガリザードンYを、リーフィアブラッキーがそれぞれいやしのすずで復活させられる構成になっているため、崩されにくい構築であると言える。

  

Lyra*rh「エフィブラループ!」

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(ブラッキーゴツゴツメット/エーフィ@アッキのみ/メガボスゴドラ/メガヤドラン/ハピナス@きれいなぬけがら/グライオン@どくどくだま)

 ブラッキーとエーフィという2世代のイーブイ進化系を並べた、いわゆるエフィブラ構築を毎回追求している方だが、この構築ではボスゴドラという珍しいポケモンを採用していることに加え、それを受けループ風にアレンジしているというところが面白い。もともとボスゴドラといえばステルスロックやでんじはといった補助技を使う型のほうが有名なため、受けループの並びを取っているこの構築では、なおさら警戒されずに高火力の技を叩き込むことができたと想像できる。

 その他のポケモンの技構成も面白く、こらえるを採用したブラッキーや、いやしのねがいを採用したハピナス、3ウェポン構成のメガヤドランなど、相手に合わせて柔軟な動きができそうな並びだなという印象を受けた。門外漢のため、受けループについてはある程度メンツが固まっているのかなという固定観念があったが、このパーティのような準受けループの並びであれば、まだまだ開拓の余地も多いのかもしれない。自分の好きなポケモンの並びを採用しながら、様々な並びや戦略で戦おうとする姿勢は自分も見習っていきたい。

 

ルイ「フリーザーと一撃必殺毒TOD」

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(フリーザー@たべのこし/ドリュウズ@とつげきチョッキ/グライオン@どくどくだま/ドータクンゴツゴツメット/バンギラス@ヨプのみ/メガボーマンダ)

 使用率がそもそも高いサンダーは言うに及ばず、ファイヤー入りでも結果を残してきた人はこれまでもいたが、フリーザー入りでここまでの高レートに到達した人は初めてではないだろうか? パーティコンセプトとしても、最強の一撃必殺技であるぜったいれいど持ちであるフリーザーの強さを十分に活かした構成となっており、唯一無二の構築であると言える。そもそもフリーザーをあまりレートで見たことがないため、どんな種族値をしているのかもこの記事を読むまで曖昧であったが、高い特殊耐久と特性プレッシャーを十分に活かしたみがまも戦法、一撃で相手を持っていくことができるぜったいれいど、そして似たような戦法の取れるスイクンにない安定した回復技であるはねやすめの組み合わせは、レートで絶対当たりたくないと思わせるだけの凶悪さがある。

 一撃必殺技や毒を叩き込むことを意識し、積極的にTOD(タイム・オーバー・デス)を狙っていくというパーティとのことだが、バンギラスドリュウズボーマンダという並びのため、相手からすると砂構築をまず警戒せざるを得ず、そういう意味でも戦略を通しやすい構成になっていると言える。戦略の徹底度合いは、一撃必殺技持ちが3体、どくどく持ちが3体というところからも見て取れる。グライオンにじしんを採用せずにどくどくを採用していることからも、やりたいことが本当にはっきりしていると言える。フリーザーの他にも、比較的レートで見ないポケモンとしてドータクンが採用されているが、ねむるを採用することによりサイクル戦に強く、なおかつ鋼の耐久を活かして特殊フェアリーにも強く出られることで、十分に採用されるだけの力があるように感じた。

 

ワイン「シーズン11」

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(ユクシーゴツゴツメット/メガクチート/ミロカロス@たべのこし/バシャーモ@ラムのみ/霊獣ボルトロス@とつげきチョッキ/ガブリアスきあいのタスキ)

 高い耐久と優秀な補助技を持ちつつも、あまり採用率の高くないポケモンであるユクシーミロカロスを採用しているのがまず目に入る構築。ユクシーの打点の低さをイカサマを採用することにより補っていることが特徴的であり、ステルスロックやでんじはといった優秀な補助技も当然搭載しているため、他の物理受けポケモンにはできない動きが可能になっている。ミロカロスについてはもともと優秀なポケモンではあるものの、どうしてもスイクンというポケモンの影に隠れがちになってしまっている印象が拭えないが、特性かちきによるいかくポケモンへの牽制や、じこさいせいという安定した回復技を持っている点で、差別化は十分に図られているといえる。

 また、積み技を持っていそうなポケモンをいくつも採用しながら、上記の2体以外はほぼフルアタの構成になっており、クレセリアなどの耐久ポケモンの処理をほぼミロカロスのどくどくに一任しているという思い切った構成も特徴的だと言える。アイアンヘッドとはたきおとすを両立しているメガクチート、とつげきチョッキ持ち故のフルアタ霊獣ボルトロス、最近はすっかり珍しくなっただいもんじ持ちのガブリアスは、それぞれ単体ではある程度知られている型かもしれない。しかし、起点作りとして有名なユクシーや、バトンタッチを持っている可能性のあるバシャーモと並べることで、積みアタッカー型を相手は警戒せざるをえず、その分アドバンテージを稼ぐ立ち回りがしやすくなっているのだろう。

 

 ●参照記事

暁「【S10構築記事】ウルガマンダサイクル【最高レート2027】」

あずまるがお「†ウェットノラージ†S11 2057達成構築」『あずまるがお対戦日記』

角刈り「鬼火コントロール」『視野を広くしたい』

カゼハ「【背伸びオフベスト8】ガチゴラスと狂気の仲間達」『ガチゴラスがガチポケになる日』

かたショ「シーズン11使用構築コバルオンラティアス」『C'SaGa』

ガレキ「【ORAS】ドラミドロ入りトリルバンギムドー【S11-2084】」『瓦礫に埋もれつつ』

ぎぬ「【真皇杯ラストチャレンジ決勝進出PT】第一期CJ構築【KP247位】」『アイロンビーズをもう一度』

心葉「第31回シングル厨1次予選抜け ラグウルガマンダ」『心葉のこの話』

シェイル「【ORASシングル】Season11~蒼海の鮫と大地の鮫【メガサメハダー】」『SHEIL'S Party』

ショコラティ「最終14位 2209 クチートと野獣」『てきとー構築』

大天使「【最高レート2018】トゲキッス始動アッキランクルス+ガルーラ軸 スカーフヘルガー入り」『天使園』

たちばな「【第31回シングル厨のつどい】魔界ズルリレー【1次予選突破7勝1敗】」『分身サミット総本部』

    「【第4回あめおふ!使用構築】暗黒魔界ズルリレー【ベスト8】」

タムタム「第1弾 身代り食べ残しドリュウズ」『テンプレ逸脱勢のポケモン型考察ブログ』

凪「(ORASシーズン11最終レート2021)メガシンカ、準伝無し構築」『メガシンカなんて必要ねぇんだよ!』

パワッチョ「【シーズン11】1000全抜き達成!全抜きパ!【最終2003】」『いいから全抜きだ』

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ユキナ「【最高レート2043】破壊光線メガマンダ軸ホウエン統一PT」『ホウエンポケモンで目指せレート2100』

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ライコウ「魔界ロトム調整」『野生のライコウは逃げ出した!』

Lyra*rh「エフィブラループ!【第31回シングル厨 一次抜け二次3-2同率負け】」『ブラッキーの月の光~甘えるを添えて~』

ルイ「S11 ~フリーザーと一撃必殺毒TOD~ レート2200越え構築 ( 8位、12位 )」『フリーザーを愛するポケモン研究所』

るどるふ「バッドスタッフ」『おもしろきこともなきよをおもしろく』

ワイン「シーズン11(最終2105)」『ほろ酔いレート日記』

ワジャイナ「【シングル】 シーズン11 最終2206 メガボーマンダ軸 構築 【マンダホルード】」『ワジャイナぽけもん日記(日記とは言ってない)』